こまっちゃクレズマの公式サイト

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「こまっちゃくれ4 井戸の底の星」こまっちゃクレズマ

 こまっちゃクレズマ4年ぶりのアルバムは、雪降る山の中で録音した「あったか雪解けサウンド」!
 2011年5月1日にこまっちゃクレズマ4枚目のアルバム「こまっちゃくれ4 井戸の底の星」が発売されます。このアルバムは栃木県は男鹿高原の山間のロッジに機材を持ち込んで、録音からマスタリングまでメンバー自身の手によってじっくりと制作されました。(録音日記参照)一面の雪景色の中、薪ストーブのはじける音、屋根の雪の落ちる音と共に録音された暖かいサウンドのアルバムです。夏秋文尚が加入してから初のアルバムですが、ドラマーのみならずエンジニアとしても大活躍しています。
 ライブの定番曲以外にアルバム用の書き下ろしや梅津和時が自らボーカルをとる梅津と忌野清志郎の共作など全10曲、このメンバーならではの音と思いがぎっしり詰まっています。

こまっちゃクレズマ「井戸の底の星」録音日記  関島岳郎

 「井戸の底の星」の録音は今からちょうど一年前の2010年4月16日からの五日間。日光市と南会津のあいだにある男鹿高原の山荘に機材を持ち込んでの合宿録音でした。それからずいぶん時間が経ってしまいましたが、ようやく皆さんに新アルバム「井戸の底の星」をお聴かせできることになり、とてもうれしいです。
 そろそろ記憶も曖昧になってきていますが、一年前を思い出しながら録音日記を書いてみます。録音現場の雰囲気が伝われば幸いです。

2010年4月16日(金)

 出発日。今回は夏秋君の機材を中心に僕の機材も合わせて使い録音するので、梅津さんに僕の家まで迎えてきてもらって、今まで自宅から持ち出したことのない量の機材を梅津さんの車に積み込みました。途中で多田さんを拾って東北自動車道へ。サービスエリアで夏秋君と合流。ぎりぎりまで仕事をしている張さんと松井さんは現地で合流することになっています。那須塩原インターチェンジを降りた後も順調に車は走り、次第に山の中へ。16時頃ワイルドフィールズおじかに到着しました。
 ワイルドフィールズおじかは日光市の南会津寄りのあたり、男鹿高原にあるキャンプ場で、管理をされている平野さんは南会津のコンサートでいつもお世話になっている方です。この時期オフシーズンでまだ営業開始前のところ、平野さんのご好意で録音のために貸していただいきました。


録音に使った大きめのロッジ

ロッジの前の池

 初日の目標はセッティング。何も無いロッジに録音環境を整えること。今回エンジニアも担当してくれた夏秋君は、実は自宅録音の達人として古くから知られています。サンレコの古い読者ならセバスチャンと言えばピンとくるのでは。そんなこともあって今回はこの録音方法にしてみたのです。

何も無かったロッジが・・・
何も無かったロッジが・・・
徐々にスタジオへと
徐々にスタジオへと
吸音には布を使ったり
吸音には布を使ったり
音の分離のためにビニールを使ったり
音の分離のために
ビニールを使ったり
そして完成!!
そして完成!!

 録音の環境を整えている間に力強い助っ人が来てくれました。石巻ラ・ストラーダ店主の相澤さんと、福島でこまっちゃのライブを主催してくれた安富さんのお二人です。実はこのお二人、こまっちゃクレズマのライブが縁で知り合ってご結婚されたのです。結婚式ではもちろん演奏させていただきました。今回は僕らが録音に集中できるように炊き出しやこまごまとしたことをやってくれて、すごく助かりました。

石巻からの助っ人、2人
石巻からの助っ人、2人
そして日暮れ。飲み過ぎ注意!
そして日暮れ。
飲み過ぎ注意!

2010年4月17日

 朝起きてみると、一面の銀世界となっていました

えーと・・・
えーと・・・
今は何月でしたっけ?
今は何月でしたっけ?
車、大丈夫?
車、大丈夫?

 一晩でこんなに積もるとは!さすがに会津に近いだけのことはあります。しかし室内で録音をする分には差し支えないので、録音を開始します。この日は、まずライブでやり慣れている「満月の華」から。そして、夜までかけて「井戸の底の星」と「いすが逃げた」の2曲を録音しました。

まず「満月の華」から
まず「満月の華」から
こんな感じに顔はお互い見えるようになってます
こんな感じに顔はお互い見えるようになってます
夏秋君は、叩いたり録ったり大忙し
夏秋君は、叩いたり録ったり大忙し
薪ストーブの係は梅津さん
薪ストーブの係は
梅津さん

2010年4月18日

 録音に入って2日目、このあたりで曲数を稼いでおきたいところ。この日は朝食後に「シロクマのダンス」、昼食後に「月猫」、「A La Turk」の仮録り、「町工場」、「山羊は笑う」の仮録り。天気は良くなりましたが、時々屋根から雪が派手な音と共に落ちてきます。

管楽器は冷えると音程が低くなってしまうので、暖かいところに置いてあげます
管楽器は冷えると音程が低くなってしまうので、暖かいところに置いてあげます
外は寒いのです
外は寒いのです
誰が作ったのかな
誰が作ったのかな

 そうそう、録音の合間には写真撮影もやりました。うまくいけばジャケット等で使うこともできるかもしれないというもくろみ。そして採用になったのがこの写真。ジャケットでは大河画伯がいい感じで加工してくれていますが、ここでは元写真をお目にかけましょう。


2010年4月19日

 明日はかたずけなので、本日が録音最終日。実質3日間でアルバム1枚の録音をしていることになります。この録音の期間、だいたい10時ないし11時から作業を始めて、作業の終わりが21時ないし22時。わりとのんびりと作業していました。レコーディングスタジオでの録音は機材も充実していていろいろ便利ではあるのですが、時間の使い方にシビアにならざるを得ないということがあります。こまっちゃクレズマの場合は僕を含めて気分屋さんの集まりなので、スタジオのように密閉された空間ではない環境で時間をゆったりと使えるこのような録音方法は、絶対に各自が出す音に影響するのではないかと思っていました。そして実際良い演奏を録ることができたと思います。
 とはいえ、この日はもう後が無いのでちょっと頑張りました。昨日仮録りした「山羊は笑う」と「A La Turk」を仕上げ、「春の嵐」と「2022年七夕まで、、、」の歌もの2曲を録音。録音が終わったのは24時近くでした。

テューバのマイク。細かい吸音処理は夏秋君ならでは
テューバのマイク。細かい吸音処理は夏秋君ならでは
梅津さんの歌録り
梅津さんの歌録り
張さんと多田さんの歌録り
張さんと多田さんの歌録り
お疲れさまでした!食事は毎日充実していたのです!!
お疲れさまでした!
食事は毎日充実していたのです!!

2010年4月20日

 最終日は片付けをして帰京。もちろん、途中で温泉に寄って録音の疲れを落とすことも忘れずに。いいものが録れたという充実感!

すごい荷物
すごい荷物
最後にみんなで記念撮影。おーい、みんなもっとこっちへ寄ろうよ。え、僕がそっちに近寄ればいいの?
最後にみんなで記念撮影。おーい、みんなもっとこっちへ寄ろうよ。え、僕がそっちに近寄ればいいの?

平野さん、相澤さん、安富さん、どうもありがとうございました。


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